2016年、有田は、日本磁器誕生・有田焼創業400年という記念の年を迎えました。
この400年有田では、時代によって造るものが変化していくと同時に、それぞれの時代に様々な様式の焼物が造られてきました。
最上級の質のものから、流行の先端のもの、少量であるがマニアックなものなど、その多様性が有田の特質であり、それこそが、有田が400年間、ひとつの業種で町が続いてきた要因ではないかと思っています。
そのような中、有田陶芸協会は1981年発足しました。
卓越した技術を基に、作り手の思いを作品に込める作家の集まりで、その作行きは、轆轤の技術から生まれる美、和紙染めや精巧な染付の美、また独自の釉調の美、華やかな赤絵の美など、方向性は様々です。
また同じ白磁であっても、作家それぞれ求める白が微妙に異なり、各々の思いがにじみ出ています。
この度、作家ひとりひとりが最新の代表作を自ら選出し、有田の多様性を感じさせる作品集となりました。
有田400年の技術の積み重ねによって生まれた、現代に生きる作家の思いをご堪能いただきましたら幸いに存じます。
平成29年夏
有田陶芸協会会長 今泉 今右衛門
(有田陶芸協会作品集制作によせて)