卓越した技術を基に、作り手の思いを作品に込める作家の集まりとして『有田陶芸協会』は1981年に発足しました。轆轤の技術から生まれる美、和紙染めや精巧な染付の美、また独自の釉調の美、華やかな赤絵の美など。作家が求める作品の方向性は様々であり、陶芸協会展ではそれぞれの想いがにじみ出ています。

協会では有田焼の原料採掘地へ行く視察研修もあります。先日は聡窯スタッフたちも連れて泉山陶石の鉱脈が見られる各場所を訪れ、みんなで知識を深め合いました。

有田焼の原料は熊本県の天草陶石が主流ですが、かつては陶祖李参平が約400年前に発見した泉山陶石が重用され、江戸時代には佐賀藩が磁石場を管理していました。今回は、同協会の河口純一名誉会長の案内で、有田川ののり面、古木場ダム、中樽の子樽2号窯跡などを見学。私の工房「聡窯」の真横や敷地内にも鉱脈帯が連なっており、鉱脈は英山より南側に広がっている状況を確認することができました。

歴史は、今、この一瞬が作られている出来事であり、未来へと繋がる出来事です。有田の環境・歴史を学び、作家同士で情報を共有し合うこと。それが作陶の励みと、まだ見ぬ未来の作品へ繋がっていくと信じています。

辻 聡彦 記(有田陶芸協会事務局長) 【聡窯ホームページsohyoh.com引用】

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有田川ののり面

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中樽の子樽2号窯跡